第233回技術講習会 「Understand Pain-痛みを理解する-」感想文
第233回技術講習会 「Understand Pain-痛みを理解する-」
竹田綜合病院 リハビリテーション部 理学療法士 星杏奈 様
「痛み」に関して、臨床では毎日遭遇しています.患者さんと関わる際に、どこが痛いのか?どのような痛みか?いつから痛いのか?どの程度?など患者さんが感じている「痛み」について理解しようと努めていました.
そしてその「痛み」を悪者にして、何とか取り去ろうと試行錯誤していました.
つまり「痛み」は組織そのものが侵害されている危険信号と捉えていました.
今回、Moseley教授のお話を伺い、組織そのものが侵害されていなくても私たちの脳は「痛み」を感じる場合があるということ、またそのメカニズムについて知れたことは新たな発見でした.
脳は侵害情報だけでなくその他の膨大な情報を処理しているため、neuro tugを介して侵害情報でなくても「痛み」と捉えることがあるそうです.
臨床を振り返ると、改善しない「痛み」を訴える患者さんに対して「精神的な問題」と勝手に片づけていたように思います.
例えば確定診断がつきにくいような頸部痛や腰痛などです.
「痛み」は身体を保護するsignalなので、「痛み」自体を除くことよりもその元となる刺激を取り除くことに尽力すべきなのだと感じました.
Moseley教授の講義では神経生理学に基づいた「痛み」のメカニズムについて、イラストを描いたり、時には身体を動かして伝えて頂き、学生の頃必死で勉強しても理解できなかったことが、楽しく学べました.
「痛み」との付き合い方について臨床を見直す良いきっかけになりました.